これ、それ、あれで終わらせないで!幼児でも気づいた時が直し時。子どもの「こそあど言葉」

長い夏休みが終わりました。専業主婦のご家庭は生活がガラリと変わり「学校と給食のありがたみ」をひしひし味わう毎日だったでしょう。パートやアルバイトの兼業主婦は、仕事を減らし「今月の収入減どうしよう」が悩みの種。フルタイムは、お子さんが学童ならお弁当づくり、そして夏休みイベントを考慮して仕事の調整も大変だったことでしょう。全国のお母さん、夏休みお疲れ様でした!

大変な面はあれど、夏休みは子どもと接する機会や会話が自然と増えて、成長や変化に気づきやすいものです。と同時に「おや?」とひっかかる場面も。様々な「おや?」の中には、気づいた時点から親がフォローを要するものがあり、「言葉づかい」はその上位にあたると言われます。挨拶や丁寧な話し方はもちろん大事ですが、ここ近年、教育現場で懸念されるのが「こそあど言葉」の多用です。

こそあど言葉で会話を終わらせない

こそあど言葉とは「これ・それ・あれ・どれ」の代名詞、「こんな・そんな・あんな・どんな」の形容動詞、さらに副詞や連体詞などに「指し示す動きをもつ語」をあつめたものです。

小学校の国語で

「(これ)は何を指しますか?」

「正しい言葉を(  )に入れましょう」

といった問題によく出されます。こそあど言葉は、くどくなりそうな文章を読みやすくします。

「少し形がいびつなものの、とても甘い梨」

という言い回しを「これ」「それ」に置き換え、いわば元々「簡単に使えて、伝えやすくする性質」をもっています。その上で「おや?」と感じるのが、子どもたちの言葉づかいが「こそあどで成立」する様子が目立っている点です。

うどん屋のメニュー看板は、どれもうどんで、どれも丼。判別がつきにくいのに「あれ食べたい」と指すだけ。誰かにお願いごとをするのにも「それやってくれる?」と、何をどうする、の説明が省略されがち。小さい頃にこうした癖がつくと、ボキャブラリーそして会話の表現力も伸び悩む傾向にあります。

幼稚園児から意識する

子どもが小さいうちはまだ「目的が分かるように」「様子が伝わるように」会話ができなくても仕方がない、と思われるかもしれません。しかし幼稚園(保育園)では年中児から言葉の組み立てを意識させ、年長児には日常会話でこそあど言葉を多用しないよう指導していきます。

学年単位で語彙が少ない傾向にあると、保護者会などで家庭でも協力を仰ぐ場合があり、実はもう小さいうちから「単語を覚え、言葉として使いこなす」トレーニングが大事、とされているのです。

しかし難しいことはなく「お母さん、お子さんが『あれ・これ・それ・どれ』、あるいは『ママ、コップ』『ママ、あっち』と言われただけで、動かないでくださいね」という、ちょっとした心がけが主なアドバイスです。

子どものボキャブラリーが足りないと?

家庭の場合「覚えている単語が少ない」「言い回しがワンパターン」でも、家族側から意図や目的をすくい上げてしまいます。けれど社会(幼稚園・保育園・学校・近所)は、相手に理解してもらうだけの情報を自らが発信することが大切です。さらにその力はコミュニケーションだけでなく、勉強面にも大きく関わってきます。

国語の文章問題だけでなく、各教科での発言、班ごとの活動においての話し合い、道徳の授業で考え・感じる力もボキャブラリーが足らないとつまづきやすくなります。

また子ども自身、うまく伝えられない不満や不快感、伝えることが面倒で「もういい」「面倒くさい」と切り捨てを繰り返すとそれに慣れ、短気が癖ついてしまうことも。小学校中学年以上になれば、子ども同士の関係も感情もより複雑化し、ただでさえ「どう言葉にしたらいいか分からない」案件が増えていきます。

「話すとスッキリする」と例にあるように、考えや感情を「言語化」できるだけのボキャブラリーを身につけられれば、子どもにはそれが「逃げ道」や「ガス抜き」にもなるのです。

子どものボキャブラリーを増やすには?

子どもが小さいうちは、親との会話が一番のトレーニングになります。先にもありましたが、「ママ、あれ」と言われても動かず「モノの名前を言ってくれるとすぐ分かるんだけど」と言葉を使う機会を与えます。モノの名前が分からなければ「何色?どんな形?」とヒントを返しましょう。

状況説明についても、子どもは言いたいところ、印象的なことから話すので、親が一旦受け止め「いつ・どこで・誰が・なにを・どうした」を一緒に整理します。小学校中学年以上であれば、同じシチュエーションでも聞く人によって解釈が違う体験をさせてもいいでしょう。「今の話だと、○○ちゃんとのケンカが悲しかったんだね。てっきり、叩かれて痛いから泣いたのかと思った」と感想を述べるだけで、言葉や解釈の様々なパターンに気づくようになります。

また読書もおすすめです。低学年であれば絵本の読み聞かせを、子どもも喜んで聞きながらたくさんの言葉を耳にします。中学年以上であれば、音読をしてもらいましょう。声に出すことでイントネーションやセンテンスをどう理解しているか分かります。

さらに聞いていて「おや?」と思うところは、あとで質問しましょう。本の内容を理解し、説明や補足の練習になる上、親が聞いている手応えや達成感は子どもの励みになります。本を借りる時間がなければ教科書で充分。今何を習い、学校は何を教えようとしているのか、食事を作りながらでも把握できる有意義な時間となるでしょう。

最後に

世の中見回せば、言葉の短縮化・記号化が目立ちます。流れとしてSNSの普及により「読む言葉と言葉にする言葉」が肩を並べるようになりました。「とりあえずまあ〜=とりま」や「了解=りょ」、映画やドラマそしてアニメの作品タイトル、タレントやグループ名も、話題や人気が高いほど「短くされる」傾向にあります。

ところが社会全体は多様化・複雑化しており、シンプルすぎる言葉では、ツールとして成り立たないジレンマが生まれています。また同じ言葉・単純な言葉しか使わない環境は、脳の活動にも関わる意見もあります。

夏休み、お子さんの言葉づかいで「おや?」と気づけたら幸運なこと。1年で一番期間が長く、行事も多い充実の2学期に、言葉を意識して取り組めるからです。小さな習慣でも、2学期にコツコツ努めれば「塵も積もれば山となる」のごとく、お子さんの揺るぎない力となるでしょう。

また、言葉も少し工夫するだけで人を幸せな気持ちにすることができることもあるんですよ。次の記事でご確認ください!

言葉で人生をハッピーに☆生活を豊かにする3つの「お」

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