淡い色と自然な風合いが魅力の草木染めが、お家でできるってご存知ですか?紅茶やコーヒー、ナスの皮など、身近なものを使った染料でできるんです。なかでも、コーヒー党の人に特にお薦めなのが、淡く柔らかい焦げ茶色が魅力のコーヒー染め。出がらしの豆を使ってもできちゃうんですよ。一度で一気に染め上がるというものではなく、何度か工程を繰り返すことで、理想の濃さに仕上げていくので、間のプロセスもノンビリと楽しむ感じで取り組んでみてはいかがでしょうか。今回は、コーヒーを使って、基本の染め方をご紹介します。
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コーヒーを使用した草木染めで用意するもの
染めるもの
まずは染めるものを用意し、その重量を計っておきます。今回は具体例として、約12gの市販の木綿ハンカチを染めていきます。
染料の材料
今回は出がらしのコーヒー豆を使います。染めるものの重量:コーヒー豆=1:2くらいの目安で用意します。(新品のコーヒー豆を使うなら1:1の量が目安です)
もちろんそれより多くても構いませんし、もし少なくても、何度か工程を繰り返すことで、ある程度は濃くしていけるので大丈夫ですよ。ちなみに、挽き方は細かい方が理想的です。
ここでは出がらしを使うので、24gということになります。
染液用の水
染めるものの重量に対し、約20倍の量の水を用意します。ここでは、240mlになります。
- 無調整豆乳(または牛乳)
- 中性洗剤(台所用洗剤でOK)
- 焼きミョウバン
染めるものの重量に対し、3~5%(この場合0.36~0.6g)の濃度にするのが定番だそうですが、あまり神経質になる必要はなく、大体でいいようです。
私の場合、どちらかと言うと、少なすぎるよりは少し多めにしたり、(もちろん程度にもよりますが)その時使う秤の計量精度に合わせてしまったりします。つまりここではもう思い切って1gにしてしまったり、といった感じです。
コーヒーを使用した草木染めに用意する道具
- 鍋×2(精練用と、染液用)
- ボウル×2(染液を漉す用と、媒染液用)ステンレスかホーローのもの
- ビニール袋1枚
- 茶こし
- 温度計
- 菜箸かトング
- ハンガー(乾燥用)
コーヒーを使用した草木染めの下準備
準備1:「精練」する
まず、染めたいものに付着している汚れや余分な油分などを落とす「精練」という作業をします。鍋にお湯を沸かし、中性洗剤を少量と生地を入れて、1時間ほど弱火で煮ます。よくすすいで、しっかりと絞ります。
中性洗剤で洗うだけで充分汚れが落ちそうなら、それでも構いません。でもどうせなら、他のものを準備しながらできる作業ですし、やっておいて損はありませんよ。
準備2:「濃染処理」をする
植物性の素材は、タンパク質を含む動物性の素材に較べて染まりにくいので、牛乳や豆乳を使って下処理をしておきます。(絹や羊毛など、動物性の素材を使う場合、この処理は必要ありません。)
この工程を省いても、『まったく染まらない』ということはありませんが、染まりにくい分、この後の工程を繰り返す回数が増えることになるので、個人的には、やっておくことをお勧めします。
無調整豆乳と水を1:1で混ぜたものをビニール袋に入れ、精練して水気を絞った生地を入れて10分ほど漬けておきます。この作業はボウルを使ってもできますが、使用する豆乳の量を節約するために、私はビニール袋を使っています。
時々ゆすったり軽く揉んだりして、豆乳液が繊維の中に行き渡るようにします。引き揚げたら水で流さずに軽く絞って、乾燥させておきます。
準備3:「染液」を作る
鍋に染めるものの重量の20倍の量のお湯を沸かし、コーヒー豆を入れて煮ます。茶こしで漉すなどして、煮出し液の出来上がり。これを染液とします。染液は鍋に戻しておきます。
(ちなみに、インスタントコーヒーをお湯に溶かして染液にすることもできますよ。)
準備4:「媒染液」を作る
「媒染」という作業で使う、媒染液を作ります。ボウルに、お湯を入れ、ミョウバンをよく溶かして出来上がり。
この「媒染」の作業は、『発色をよくするため』や『色落ちを防ぐため』に行いますが、染液に使用する素材によっては、工程の前後でその発色の差があまり感じられなかったり、洗濯を重ねれば多少なりとも色落ちは避けられないこともあり、省く人もいます。
実際、コーヒー染めは、「媒染」による変化が少しわかりにくい部類に入るかもしれませんが、個人的な意見としては、この作業は省かない方がいいと思います。
いよいよ染色作業!
手順1:染める
『準備3』で作った染液を入れた鍋を、コンロで温めます。温度管理はあまり厳密にしなくても、大体40~90℃の間をキープする感じでいいと思います。
グツグツ煮ればその分染まりやすくなりますが、繊細な生地を染める場合は、低温の方が無難でしょう。
『準備2』で乾燥させた生地を、一度水に浸け、絞ってから染液に投入し、繊維の奥まで染液が染み渡るように、途中何度か、菜箸やトングなどを使って揺らしながら、20~30分間浸します。
手順2:媒染する
トングなどで軽く絞って、『準備4』で作った媒染液に浸して20~30分ほど置きます。ここでも途中何度か、布を泳がせるようにして、液を行き渡らせるようにします。
手順3:軽く絞って、水で洗う
この段階で、もっと濃い色を出したいと思えば、もう一度絞って、上の手順1~3を繰り返してください。好みの色の濃さになったら、後は絞って、陰干しして出来上がり。大きなものを染める場合は、洗濯機で脱水して干せばOKです。
最後に
今回は出がらしのコーヒー豆を使いましたが、紅茶党の人には出がらしのティーバッグを使っての紅茶染めもお薦めです。
また、ハンカチの他、ストールや、手芸用品店で10cm単位で売られているような生地でもOK。必要な分だけ買ってきて染めてから、ポーチなどの小物や肌着など手作りすれば、愛着の湧く一品になりますよ。
ウール100%の毛糸を染めて、帽子やマフラーを編むのも素敵ですね。
今回は植物性の素材である綿を染める作業をご紹介しましたが、絹や羊毛などの動物性の素材を染める場合は、タンパク質を含んでいるため染まりやすいので、『準備2:濃染処理』の工程を省いてもOKです。
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