疼痛の治療法として注目される筋膜リリース(筋筋膜療法)とトリガーポイントについて

近年、健康に関心の高い人の間で常識になりつつある疼痛治療の手法に、「筋膜リリース」というものがあります。名前を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか? イメージとしては、筋肉の表面にがあって、それに何かしらの調整を加えて調子を良くするテクニック、といったところでしょう。でもそれが具体的にどんなものなのかと聞かれると、ちょっと説明できないのではないでしょうか? そこで今回はこの筋膜リリースについて簡単に説明しつつ、基本的な方法である「筋筋膜トリガーポイント療法」について解説していきます。

そもそも筋膜リリースの「筋膜」ってなに?

筋肉はたくさんの筋線維からできています。そしてその細かな筋線維を、神経や血管と一緒に束ねる結合組織が、広い意味での筋膜です。

みなさんのイメージする筋肉は、骨と骨を繋ぐ形で付いていますね。このような骨と骨を繋ぎ関節を動かすのに利用される筋肉を総称して、骨格筋と言います。

この骨格筋の表面に付着しているのが筋上膜です。骨格筋はさらに複数の筋束で構成され、その周囲を筋周膜が覆います。そして筋束はさらに細かい筋線維で構成され、それらの筋線維の周囲を筋内膜が覆います。

この筋上膜、筋周膜、筋内膜という三つの結合組織を総称して筋膜と言います。また筋膜は骨の表面(骨膜)を含め、全身の器官を繋げています。もし筋膜がなかったのなら、人間の骨や筋肉、さらには臓器まで、すべてのパーツはバラバラになってしまいます。

筋膜はこのように全身で繋がっているため、ある筋肉の筋膜がずれて固くなると、隣接する筋肉の筋膜も固くなってしまいます。このずれと緊張が疼痛などの痛みの原因となるのです。

そしてこの筋膜の緊張をほぐし、正常な位置に戻す治療法のひとつが筋膜リリース(筋筋膜療法、筋筋膜トリガーポイント療法)なのです。

筋筋膜トリガーポイント療法のやり方

筋膜リリースにはいくつかの方法があります。カイロプラクティックのような神経の反射を利用するもの、針などで刺激するもの、マッサージのような手法や、それに似たロルフィングという手法など、やり方は流派によって様々です。

ここではその基本となるトリガーポイント療法について簡単に解説します。

トリガーポイント療法とは

まずトリガーポイントというものをわかりやすく説明すると、筋肉に疲労や痛みがあるときに指の腹で軽くもむと見つかる小さな「しこり」です。腕に疲労を感じるときに肘の近くの筋肉をもむと、そこから指先までの広い範囲に強い刺激を感じることがありますが、あれのイメージです。

トリガーポイントにはそれ自体が痛みを発するタイプ(なにもしなくても痛む活動性トリガーポイントと、圧迫すると痛む潜在性トリガーポイント)のほか、トリガーポイントの周辺に痛みが生じるタイプ(随伴性トリガーポイント)、腱の部分や骨との接合部にできるタイプ(付属トリガーポイント)などがあります。

トリガーポイントは筋肉の微細な損傷が遠因してできるもので、不自然な姿勢を長時間続けたり、それが慢性的に続くと、それによって生じた細かな筋肉の傷が影響して発生します。これをそのまま放置しておくと、疼痛がトリガーポイント周辺の筋肉にまで起こり、それが連鎖的な不調を招きます。

トリガーポイントを緩める(不活性化させる)方法はいくつかあります。そのうち自力でもできる方法で最も効果的なのは漸増加圧法です。これは、指の腹でトリガーポイントを探し、しこりを発見したらそこを適度に圧迫するか、しこりの部分を軽くつまむ方法です。

トリガーポイントを緩める漸増加圧法

この方法ではまず、しこりのある部分を軽く指でつまみ、しばらくそのままの状態を維持します。すると徐々にしこりがなくなっていくので、完全にしこりが消えたらその周辺のしこりにも同じことをします。これを繰り返して筋肉のしこりが全て取り払われたらOKです。仕上げに当該箇所とその周辺のストレッチを行います。

これが筋膜リリースの基本となるトリガーポイント療法です。

トリガーポイントとツボは違うの?

ここである疑問が湧いてきた方もいらっしゃると思います。このトリガーポイント、鍼灸治療のツボに似ていると思いませんか? 実際、トリガーポイントの位置とツボの位置は共通する部分も少なくありません。その部分を圧迫刺激することで疼痛を緩和するところもよく似ています。

しかし、この二つは共通の部分はあっても全く異なる理論体系によって構成されています。鍼灸のツボがあらかじめ決まった経絡の上にあるのに対し、筋筋膜療法は実際に身体に触れ、様々な基準に基づいて正確な位置を突き止めます。

また鍼灸は治療にストレッチを必要としませんが、筋筋膜療法には筋筋膜ストレッチ運動が必要不可欠です。

このようにトリガーポイントとツボは似て非なるものですので、混同してしまわないようにしましょう。

最後に

いかがでしょうか?これで少しは筋膜リリースのイメージがはっきりしたかと思います。もちろんこれはほんのさわりの部分ですので、より詳しく知りたい方は各種書籍やDVD、セミナーなどを参照しましょう。

この記事の内容をもとに、カイロプラクターの方に詳しい話を伺ってみるのも良いかもしれません。

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