記録を残す。成果を上げる。ビジネスに応用したい、星野源・成功のカギを拝借せよ

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またもやってくれたのである。星野源は4月より、NHK朝の連続テレビ小説半分、青い』の主題歌として、新曲『アイデア』を全国に届けていた。

毎朝「おはよう世の中」と歌いだし、明るく軽やか。当然CD販売の続報と思いきや、1話に胎児で登場した朝ドラ主人公が学生になり、漫画家デビューし、結婚し母となっても音沙汰がない。

それが7月末から怒涛の『アイデア』ラッシュが始まった。CDではなく音楽配信でのセールス決定、ブックレット代わりか?新聞広告として見開きにでかでかと告知と歌詞を掲載、配信スタートと同時にミュージックビデオの解禁、と目まぐるしい。

しかし最たる衝撃は曲の1番だけ聞かされ続けた耳に、飛び込む2番からのサウンド。ダークでありディープ。メロディラインは同じだが、テレビから流れた『半分、青い』の明るさや軽やかさは一旦、完全に封じられている。大どんでん返しのフルバージョンがこれだ。

新曲で弾き出した数々の記録

やっと全貌が明らかになった『アイデア』が、その後どう数字に反映されたのか。ネットニュースにもなったデータを並べてみよう。

  • 8月20日深夜0:00配信スタートと同時に各音楽配信サイトで軒並みダウンロード1位をマーク
  • 解禁1日半でミュージックビデオ160万再生突破
  • オリコンデイリーチャート史上最高ダウンロード数記録
  • 解禁1週間でミュージックビデオ500万再生突破
  • オリコン週間デジタルシングル(単曲)1位
  • Billboard JAPAN HOT100で初登場1位獲得
  • 全国主要ラジオ局オンエアチャート1位
  • 解禁2週間でミュージックビデオ700万再生突破
  • Billboard JAPAN HOT100にて配信のみの2週連続1位は史上初

配信セールスの選択、リリースのタイミング、話題を呼ぶ仕掛けなど、本作も狙い通り大成功ということだ。

星野には「買った人が一番得してほしい」というこだわりがあり、CDと抱き合わせる特典DVDへ注ぐ熱量がとてつもなく高い。収録されているのはミュージックビデオに留まらず、企画物やリハ風景、星野が扮するキャラの特典映像など。さらにDVDにはオーディオコメンタリーもほぼパッケージされ、1枚で2倍楽しめる仕掛けだ。

この「買って損はない」鉄板の販売形式を、今回の新曲で採用しないとはチャレンジングではないか。当然理由があった。

https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/special/interview/27.html

約6分の音楽に、陽と陰と素(弾き語り)という3曲分の魅力を詰め込む、星野らしい斬新さ。これらが聞き手にしっかり届き、セールス1位の実績を築いた。

「彼自身に人気があり、音楽がいい」こともあるだろうが、従来にない「付加価値」を求める不特定多数層へ、星野は常に、巧みに、アプローチしていく。実はとんでもなくアイデアマンな彼は、いろいろな一石を各方面に投じているのであった。

※余談ではあるが、約2年前に社会現象を巻き起こした『恋』のミュージックビデオは現在も順調にカウントを稼ぎ、まもなく「再生回数2億」に迫りつつあることも付け加えておく。

実現化した星野のひらめき

  • 「謎のアーティスト ニセ明」をキャラ化し、星野のライブや特典映像だけに登場していたが、一度だけ関ジャニ∞へ楽曲提供という暴挙に出て話題に。
  • 「映像とほぼ無関係」な、星野と友人による雑談が別録りされており、DVD 1枚を必ず2巡したくなる仕掛け。
  • 「バンドメンバーと楽器」をラジオ局に詰め込み、ラジオの前がアリーナ最前列を合言葉に、ライブinラジオブースを生放送。
  • 週刊誌『ふたりきりで話そう』の企画は、ライターもカメラマンも同席させない、ゲストとふたりきりでの対談形式で、星野からの発案。
  • 「シンバルを一切使わない」楽曲、10枚目『Family Song』は音楽関係者の間で玄人好みのテクニカルとして話題に。
  • 『おげんさんといっしょ』はゆるくてハプニングOK、ライブリハーサルみたいな音楽生番組がコンセプト。タイトルしか決まっていない初期に、NHKのおかあさんといっしょに似ているからお母さんになりましょう、と星野自ら女装を提案。現在の設定が仕上がった。 

 ほか

同日に『おげんさん』で世界トレンド1位

偶然か、戦略か。8月20日は新曲以外でも、星野の名が駆け巡った。彼の冠番組『#おげんさん』の生放送中に起こった、世界トレンド1位の朗報である。2017年5月に第1弾が放送され、SNSなどによる発信が約30万(通常深夜枠は平均1万)カウントを記録し、視聴者からの熱い要望もあって1年3ヶ月ぶりに復活。第2弾の反響は前放送をはるか上回り、世界的に話題性を巻き起こした。

そもそも平成の世、予定調和に慣れきった時代に、ハプニングもアドリブも寛容であろうとする番組自体貴重だ。全国ネットのNHKで、うっかり商品名を口にする、スカートの中が見えそうになる、緊張のあまり頭が飛んだり暴走しかける。それでいて魅せて聴かせる安定感もあるという、独特のバランス感覚をもった番組としてお茶の間を楽しませた。

『映画ドラえもん』シリーズ最高興収

ヒットの裏にはチームワークがある。前述の新曲も番組も、星野が顔にはなっているが、多くのプロの総力で成り立っている。

そして星野がサポーター側に回ることも当然ありきで、今年3月3日〜4月3日まで上映された『映画ドラえもん のび太の宝島』では主題歌・挿入歌を担当。劇場版史上、過去最高の動員・興行収入を記録するのに一役買った(これまでの最高は1989年3月公開の『映画ドラえもん のび太の日本誕生』)。

世間を驚かせたのはやはり曲のタイトルで、そのものズバリ『ドラえもん』。前ドラえもん声優の大山のぶ代でさえ、主題歌は『ポケットの中に』というタイトル曲を歌った。「一番有名なのに、誰もタイトルに使っていない」点に気づいた星野は、制作側に逆オファーして許可を得た。

星野スタンスをビジネスに応用してみたい

星野の活動を検証してみると、音楽や演技といった「表現」だけに収まりきれない。時にプロデュース、演出、アートワークにまで広く携わり、ひとつのエンターテインメントを完成させていく。

会社に置き換えれば、プロジェクトチームに加わってビッグビジネスを動かすのと同じだ。ならば成功へのカギは、ひとつでも多く持っておいて損はない。そこで星野源の仕事を独自に分析して、ビジネスに役立つポイントをピックアップしてみた。

①基本「面白い」と前進する

経験を積んだ大人ほど、行動を起こす前に良し悪しのメドを立ててしまう。しかし星野は「無理だろう」と最初から後ろ向きなことは少ない。さらに「駄目もと」と運を天に任せることも少ない。彼なりに確信を持って前に進むのである。

確信とは「面白い」と感じることで、自身のアイデアだけでなく、持ち込み企画の判断もそれが基準だ。

②周りの力を最大限活かす

「面白い」「やってみたい」で決断するものの、星野はワンマンやゴリ押しは好まない。若かりしき頃はその傾向にあったが、紆余曲折を経て、「協力者もプロだから」と任せる・委ねることに切り替えた。

リーダーとして引っ張らず、全員でプロジェクトの波を楽しくのびのび越えていこうと「乗せ上手」なムードメーカータイプだ。

③マイノリティーの強み

星野は自分の趣味趣向をよく分かっている。みんなが好きなものも好きだが、コアでマニアックなものへの執着が圧倒的に強い。特化したものは、流行の最先端や起爆剤となるポテンシャルは高いものの、そのままは世間では通用しにくい。

マイノリティーの弱点を知る星野は、大衆向けのアレンジと、ニッチ(隙間)に目ざとく、深く切り込みマスを動かす強かさがある。

④聞き上手で距離を縮める

「暗黒の学生時代」から生まれ変わったように、星野の現在の交友関係はとても豊かだ。かつては仕事や紹介がきっかけだったが、ここ最近は意気投合、あるいはフィーリングで交友関係を広める傾向にある。

「話すより聞く方が好き」な星野だが、ラジオパーソナリティーの性か話の運びが巧みで、社交辞令ではない「一緒に仕事」をよく実現させる。制約の多いアイドル、激務のタレント、世界を股にかけるアーティスト、往年の大御所も、星野の願いで出演や共演が叶っている。

⑤ストックとタイミング

好きにやれなかった、理解されなかった、幼少から青年期にかけて湧き出たアイデアを星野は鮮明に覚えており、熟成していると言う。さらに日々、新たなヒラメキも加算。枯渇させぬよう努めている。

「出すタイミングによって反響がまったく異なることを痛感」したため、年単位で封印もすれば、ラジオ生放送中に即決することも。アイデアは常にアイドリング状態にしてあるようだ。

⑥よく笑いよくフザける

星野の最大の魅力であり、最強の武器でもある「笑顔」。大口を開けて、朗らかな笑い声は場の雰囲気を格段に良くする。メイキングやリハーサル風景において緊張と怒涛のパフォーマンスが映る傍ら、星野がセットでふざけ、ハプニングに笑い転げて空気をほぐす場面も見られる。

「絶妙な緩急のなかから、最高のパフォーマンスが生まれる」ことを体で覚えており、無意識に全方位に向けて気遣えている。星野本人でなく、関係者の声を集めるとこう分析できる。

最後に

よく芸能人の仕事は「明日どうなるか分からない」と呟かれるが、景気はずっと低迷し、台風や地震など自然のアクシデントに毎年見舞われている日本において、サラリーマンとて立場は同じだろう。

しかし傾向として一人勝ちは一発屋らしく翌年は影をひそめるが、チームは息が長くリベンジのチャンスも多い。

星野源は芸能人としてソロではあるが、活動はまったくソロではなく、各界の腕きき達と何かしらタッグを組む。ひとつのファミリーを形成させて、その総力を世間に送り出しビッグウェーブを巻き起こす。

こうしたショービジネスでの成功例はビジネスにも応用でき、そのキーパーソンの一人として今回星野源にスポットを当てた。自分が必要とするカギを、彼から見つけて欲しいものである。

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