星野源さんに学ぶ「目標を達成する力」とは

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この時期になると異口同音で「1年が早い」「もうお正月が来る」「どうしよう」とザワザワしはじめるもの。確かに残り日数は少ないですが、まだクライマックスの手前なので、スパートをかければ新年に掲げた抱負や目標を達成するチャンスはありますたった1つでも、1年をかけて自らに課したことをこなす。5年後であれば5、10年後には10、毎年充実していると月日の流れに焦りや不安は不思議と薄れてくるものです。ところで、人間の挑戦には上限があると思いますか?一人で何足もわらじを履くのは可能でしょうか?どんな人間にも潜在能力があるならいかに覚醒させられるのか?お手本があれば参考にしたいところです。やりたいことを次々とカタチにできる人。今、多方面でフォーカスされている顔といえば──アーティスト俳優小説家として活躍する星野源さん。活動はソロなのに一体何足のわらじを履き分けているのか、追跡して「達成するチカラ」を探ってみましょう。

星野源さんのざっくりプロフィール

星野源。1981年、埼玉県生まれ。

音楽活動の所属はアミューズ。2000年にインストゥルメンタルバンド『SAKEROCK(サケロック)』を、同じ高校出身の浜野謙太はじめ5人で結成。リーダー兼、ギターとマリンバ担当(2015年に解散)。

2010年ファーストアルバム『ばかのうた』でソロデビュー後、シングル10枚、アルバム4枚(2017.10現在)をリリース。NHK紅白にも出場した。

俳優・タレント活動の所属は大人計画。高校時代に大人計画・松尾スズキのワークショップに衝撃を受け、高卒後芝居の道へ。

無名時代に様々な劇団のオーディションを受けて舞台に立つ中、「楽器の弾ける役者を探している」松尾スズキの目に止まり『ニンゲン御破産』の出演をきっかけに2003年より大人計画に所属。以後、ドラマ、映画、舞台、バラエティ、CM、ラジオと多方面で活躍中。

世間にはここ数年で彗星の如くブレイクした感がありますが、元々着実に活動されていました。星野さんはとかく「マルチ」の単語が使われるものの、マルチの一言で片付けられない多才な多忙ぶり。見方によっては「たった一人でこれだけの仕事をこなせる」の目安になるのでリスト化しました。

http://www.hoshinogen.com

1:音楽家

ジャズの道を目指していた両親の影響で、音楽と共に育つ原体験を持つ。マイケル・ジャクソン、プリンス、ディアンジェロ、ハナ肇とクレイジーキャッツ、細野晴臣、ユニコーンなど、好きと感じた音楽を徹底的に聞き込んで掘り下げ、ルーツを遡り血肉にする。

そしてインプットした音楽を日本人の自分というフィルターを通して作詞作曲するスタイルから、自身で『イエローミュージック』と名付けたジャンルを確立。

曲調はポップス、ソウル、R&B、ファンク、ダンスミュージック、ジャズ、ブルース、ラップと多岐に渡るようでいて、実はイエローミュージックという1つのパッケージと解釈できる。

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音楽史に残るようなスケールの大きな野望と気概を感じますが、星野さんにとって理想の曲とは?の問いに「寄り添ったり、生活の一部になったり、これを聞いて今日も頑張ろう思えること」と実に普段着感覚のアンサー。特別な思想や芸術的な価値にさほど重きは置いてないように見受けられます。

DATA

  • シングル『SUN』初週売上8.2万枚。
  • アルバム『YELLOW DANCER』初週売上13.2万枚。
  • シングル『恋』初週売上10.2万枚、デジタル・ダウンロードではミリオンに認定。
  • シングル『Family Song』初週売上19.3万枚。
  • LIVE TOUR 2017『Continues』(5月〜9月)全国10カ所20公演 追加公演となったさいたまスーパーアリーナは、最大のスタジアムモードとなる自身初の3万人動員の会場で2日間のライブを大成功におさめた。

2:俳優

校内での演劇活動や松尾スズキの影響を経て、役者としてのキャリアを積み始める。当初は映画の端役や深夜ドラマなどマニアックな番組とのマッチングが多かったが、NHK連続テレビ小説2010年『ゲゲゲの女房』ヒロインの弟役でお茶の間にその名を広めた。

2016年は大河ドラマ『真田丸』、社会現象を巻き起こしたTBSドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』ではブームの顔に。素朴、根暗、アナーキー、こじらせ、それとは対称的なエリートやシリアスな役も好演し、カメレオン俳優との異名も持つ。

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「役者は自分を無くして上手に嘘をつく仕事」との発言から、俳優活動は音楽活動と真逆のベクトルを感じさせる星野さん。また「観客の反応を直に感じられる舞台と違い、映像は戸惑いがあった」と意外な一面も。脚本家野木亜紀子さんは執筆したドラマを視聴し「あの演技をまた見たくて後の脚本に書いた」と明かすほど、制作関係者を刺激する俳優と言えます。

DATA

  • 『箱入り息子の恋』『地獄でなぜ悪い』第37回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。
  • 『逃げるは恥だが役に立つ』Blu-rayBOX初週売上3.0万枚(2008年7月ランキング開始以来1位)。DVDBOX初週売上2.7万枚。
  • 『逃げるは恥だが役に立つ』第6回コンフィデンスアワード・ドラマ賞7部門中6部門(助演男優賞)受賞。
  • 2017年エランドール新人賞受賞。

3:文筆家

「文章が下手すぎる」ゆえに、仕事にすれば上手くなる努力を続けられると、出版社へ自ら売り込み200字程度のコラムから執筆を始める。以後、連載を数誌獲得し、共著含めて6冊を単行本化。

AERAのコラムでは、自身の提案した新企画がスタート。カメラマンもライターもマネージャーもいない部屋で、ボースレコーダーのみ置きゲストと対談する『ふたりきりで話そう』は好評連載中。なかでも香取慎吾ゲストの2017年7月回はAERA創刊号以来の重版が決定した。

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対談系は、星野さんの人柄はもちろん人脈の広さも楽しめます。エッセイの初期については「こう思いませんか?や、苛立ち、コンプレックス、愚痴っぽかった」と振り返り、現在は「見た、ありのままを書く」自然体の文章に着地した模様。『いのちの車窓から』は、第5回ブクログ大賞のエッセイ・ノンフィクション部門において大賞を受賞されました。

DATA

  • そして生活はつづく  働く男(文藝春秋)/星野源雑談集1  蘇る変態(マガジンハウス)/地平線の相談(細野晴臣×星野源 文藝春秋)。
  • いのちの車窓から(KADOKAWA)発売直後重版決定、1週間で累計24万部突破。台湾にて中国語版刊行。
https://prcm.jp/album/786e99dc79602/pic/66630159

4:コメディアン

芸人ではないがコントの才能にあふれており、あえてコメディ要素だけここに抜粋。10歳の頃から、演じて歌って笑いもできた故・植木等のファン。星野源のコントは、不定期に放映されるNHK『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』がメジャーだ。

2012年のBSプレミアムでの第1回放送から出演し、内村光良と共に初期メンバーに属する。

コントにおけるキャラクター作りに秀でており、本職の芸人らも一目置く。なかでも『オモえもん』『ウソ太郎』は子どもにも人気で、ファン層が厚い理由のひとつ。

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出す曲がヒットし、出るドラマが話題になり、塩顔イケメン扱いされても、星野さんのコント愛は不滅です。かぶり物やド派手メイク、狂気やシュールも昔と変わらぬ熱量で取り組まれています。

ただ最近「簡単に脱がされる点が腑に落ちない」と呟かれたようですが、作品のためなら一肌脱ぐ役者魂は健在です。

https://matome.naver.jp/odai/2145955215109406201?page=1

5:ラジオパーソナリティー

録音した深夜ラジオを通学で聞き倒すヘビーリスナーだった星野少年。特にTBSラジオの長寿番組だった小堺一機と関根勤の『コサキンラジオ(総称)*』を好んだ。

自身の担当は、2008年『オールナイトニッポン クリエイターズナイト』(ニッポン放送)に始まり、J-WAVE、NHK-FMを渡って現在『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)を担当。

楽器とバンドメンバーを詰め込んでの『ライブinラジオブース』、ゲストとの2時間ぶっとおし『カラオケ』、様々なコーナーも自身のは発案によるもの。トークはディープな音楽トークからエロスまで、リスナーはティーンズからシニアと幅広い。

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過去にいちリスナーとしてTBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』のジングル公募に匿名で応募、大賞を得たエピソードは有名。

ラジオでのフリートークに慣れているせいか、スピーチ類は常にぶっつけ本番。伊丹十三賞*の授賞式では12分30秒も壇上に立ち、会場全体が聞き入った逸話もある。

*1981年10月から2009年3月までに、番組タイトルや放送時間などが変わっていることから、リスナーの間では総じてコサキンラジオと呼ぶ。

*映画監督、エッセイスト、俳優、CMディレクターなど様々な分野で活躍した、伊丹十三氏の偉業を記念に創設された賞。

DATA

◎第54回ギャラクシー賞ラジオ部門DJパーソナリティー賞受賞。

◎2017年3月、民放ラジオ101局特別番組のパーソナリティーに大抜擢。『WE LOVE RADIO! 山下達郎・星野源のラジオ放談』を全国民放ラジオ101局にて放送。

http://www.tbsradio.jp/utamaru/2014/06/3752014621.html

6:プロデューサー

作品を生むだけでなく、世界観やメッセージのプロデュースにまで広く手がける。「買ってくれたお客さんが一番得して欲しい」と新曲リリースの初回限定盤には、ボリューミー特典映像(ミュージックビデオ、知人のニセ明、友人とのゆかいなコメンタリーなど)を付けるコスパの良さもミソ。

ライブは舞台セット、バンドやダンサーの衣裳、ツアーグッズに至るまでコンセプト考案から構成全般に携わる。お約束のボイスドラマは作家でなく星野自身が書き、フロントマンと裏方を兼務する多忙ぶりだ。

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星野さんは素敵なサポートメンバーに囲まれています。バンドは、ギター長岡亮介(浮雲)、ベースハマ・オカモト、ドラム河村“カースケ”智康など。ダンサーELEVENPLAY、振付MIKIKO、衣裳Yae-pon(やえぽん)。

クリエーターは、アート吉田ユニ、映像山岸聖太、トラックメーカーTofubeatsなど。ご縁は星野さんからの打診が多いようで、好きな人と仕事をする楽しさが作品にも現れています。

7:クリエーター

星野源はアイデアマンであり有言実行型。ブームとなった恋ダンスは当初「ガッキーが可愛い」で注目されたが、「自撮りのダンス動画をアップしたら面白くない?」とラジオで語り、ドラマ期間中は曲や振付を使用フリーにしたことで社会現象となった。

またNHKで初の冠番組『おげんさんといっしょ』は、打ち合わせで「タイトルが『おかあさんといっしょ』に似てる。僕もおかあさんになりますか?」と逆プレゼン。

結果サザエさんのオマージュのような、懐かしくも新しい音楽生番組が完成し、さらにはそのビジュアルを新曲MVにリンクさせるウルトラCを繰り出した。

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星野さんからポッと出たアイデアは、関係者やファンを楽しませる要素が多いようです。同じ事務所であるperfumeライブのゲスト出演で、かしゆか似のキャラ「ほしゆか」が誕生。

また自身のライブグッズは星野さんが「欲しい・使いたい」のラインナップで、チケットがとれなかったファンも会場に訪れるほど。星野さんはマーケティング感覚に優れたアーティストと言えます。

DATA

◎優れたミュージックビデオを表彰する『MTV VMA』にて、『Family Song』が最優秀邦楽男性アーティストビデオ賞とBest Video of the Yearを受賞*。

*『恋』の最優秀振付け賞を含めると最多の三冠。

8:ダンサー

肩書きにダンサーの文字はないがプロと遜色なく踊れる星野源。「スポーツは苦手だが踊りは好き」と公言し、高校時代は民族舞踊部で五穀豊穣家内安全大漁を祈願する『七頭舞(ななづまい)』に没頭した。一時は役者かダンサーか進路を迷った経緯がある。

のちに『東京五輪音頭〜2020〜』をリメイクした、イデビアン・クルー主宰井手茂大の指導を受け、数年後は星野のMVで共演。

オリンピック引継式、perfumeやBABYMETALの演出振付家MIKIKOも、自身が率いる女性ダンスカンパニー『ELEVENPLAY』と共に共演。唯一振り付けた男性は星野源だけと語る。

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神楽からコンテンポラリーダンスへ。一見異種のようですが、凛とした品格ある舞は通じるものがあります。

男性のダンスはエネルギッシュでワイルド、タフでスピーディーなイメージが先行しますが、星野さんはその風貌からソフトでジェントル、そして何よりチャーミング。またダンサー兼制作側のため、どうしても欲しい画は自らカメラを回すこともあるそうです。

9:声優

「自分の声が好きじゃない」と声をコンプレックスとするが、『らき☆すた』『SHIROBAKO』などのいちアニメファンとして声優リスペクトは高い。

累計1,000万部突破の人気コミック『聖☆おにいさん』の映画化では、森山未來と共に主役に抜擢。2013年5月の公開で声優デビューを飾った。

2017年4月『夜は短し歩けよ乙女』では、花澤香菜や神谷浩史といった豪華声優を従えて主役の先輩役を担う。すでにドラマ撮影で多忙な最中だったが、湯浅監督からの熱烈な直筆の手紙オファーにより実現した。

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星野さんがインストゥルメンタルからスタートした理由も、実は声へのコンプレックスから。ラジオやアニメで素敵な声にたくさん触れたせいか、自身への評価が辛口なのかもしれません。しかし敬愛する細野晴臣さんの「歌ってみたら?」をキッカケに、声も生業となりました。

DATA

◎『夜は短し歩けよ乙女』は、カナダ・オタワで開催されたオタワ国際アニメーション映画祭にて、長編アニメーション部門グランプリ受賞。日本作品、日本人監督として初。

http://kurokaminootome.com

10:モデル

表紙やグラビアに多く起用されるが、モデルの肩書きは勿論ない。しかしトレードマークのスマイル、年齢相応の大人顔、コミカルな表情やポージングなど、バリエーションがモデル並みに器用にこなす。

成人男性の平均よりやや小柄、顔の造詣やプロポーションに強い主張はないものの、ドラマや歌の衣裳、装飾品、メガネ、プライベートで愛用のタンブラーやバッグ類の注目度は高く、問い合わせが多い。

ちなみにライブのグッズは星野も企画から関わり、モデルとして全商品の宣伝に貢献している。

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多方面で活躍する星野さんは、テレビ雑誌系から専門誌まで、時期によっては複数誌に取り上げられます。常に話題性に富み、数字に跳ね返る人気はまだまだ衰えません。

あまりの多さにファンでも全購入できない時は「写真の良さ」がチョイスの基準になる声が多く、モデルのポテンシャルは充分備わっていると言えるでしょう。

11:OTAKU

アニメやゲーム好きで知られるが、ここに掲げるOTAKUとは「気質」を指す。気に入った音楽を何百回と聞ける、下積み時代100万単位の楽器欲しさに数年かけて貯金し大金をポンと使える、好きなもののルーツを深く突き詰める、それらこだわりの熱量がとてつもなく高い。

サブカル女子にウケるアーティストとも評されたが「メジャーでないから惹かれる」の意味ではなく、傾倒するものに「時間も労力も金も惜しみなく注げる」気質にシンパシーを感じているという見方ができる。

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OTAKUには、マニアにしか分からないツボを押し合う傾向があります。たとえば『Family Song』は、世間的に「バラード」「女装が面白い」との感想ですが、ミュージシャンや音楽評論家の間では「『恋の次にモータウンで攻めるとは』「シンバルが一切ない」「NHKのおげんさんがMV出演ってアリなのか」と通好みの仕掛けに沸いた模様。

ちなみにMVは「性別や年齢や生き物がぐちゃぐちゃ。だけど家族として成立するのは愛があるから」「血の繋がりがなくても家族。逆に血縁でも愛がなければ他人」と、これからのFamilyのあり方を表現。好評だった新キャラ『おげんさん』を安易に使った訳ではないようです。

最後に

リストにすることで、星野さんの才能の豊かさを見える化できました。過去に「ひとつに絞れば芽が出るかもしれない」と助言された体験や、「芝居の場では歌の人、歌の現場では芝居の人。ずっとあぶれて居場所がなかった」と胸の内を告白する場もありました。

マルチタスクの星野さんではありますが、今回のまとめを通して、その原動力は実のところ好きに突き進む「たったひとつの想い」と紐解けました。欲張りどころかシンプルに、ひたむきに、好きの一本道をひたすら走り続けているだけだったのです。

今年の抱負や目標がまだ達成できないとしたら、原因は「実はそれほど好きなことではない」せいかもしれません。「できると好都合」「格好がつく」そうした損得勘定から抱負や目標を掲げてはいませんか?心当たりがあれば、軌道修正はまだ間に合います。

自分は何が「好き」かを振り返って、残りわずかな1年を、実りある1年だったと締めくくりたいものです。

https://dot.asahi.com/aera/2017041800070.html
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