首都圏の30〜50代男性は特に注意。風疹の流行が終わらない!

今年の8月中旬あたりに、東京や千葉など関東圏で「風疹流行」の兆しが報じられました。その後の国立感染症研究所からの発表を追うと、首都圏を中心に患者数が800人に迫る勢い。わずか1週間で患者数が100人を超える週が連続したこともあって、昨年の7倍近くに達しているとの続報がありました。

2012年に2386人、2013年には1万4344人もの風疹患者を記録した大流行よりはまだ影響は小さいように見えます。しかしこの2年と共通するのが、今年も患者の9割以上が成人という点。もともと1962年〜1979年生まれの男性は「風疹の免疫のない人が多い」と注意喚起がなされているのですが、該当する男性の皆さんはご存知なのでしょうか?

なぜ?30〜50代男性が風疹に罹りやすい理由

注意すべきターゲットがハッキリしているのは、年齢や性別で「風疹にかかりやすい体質」になるからではありません。予防接種事情が時代ごとに異なるせいなのです。

1962年4月2日〜1979年4月1日生まれ

「中学生の女子のみ」が、学校での集団予防接種を受けられました。男子には定期接種制度がなかったので、免疫のない人が特に多い世代。

1979年4月2日〜1987年10月1日生まれ

「中学生の男女とも」接種対象となり、医療機関に出向いて接種を1回受けられました。しかし個別任せだったことから徹底が行き渡らず、接種率は低く、そして1回接種では十分な免疫を得られなかった人がいる世代。

1987年10月2日〜1990年4月1日生まれ

「幼児期の男女」が接種対象となり接種率は高くなったものの、1回接種では十分な免疫を得られなかった子がいる世代。

なお1990年4月2日以降は、生後1歳を過ぎたら早めに1回目の接種、2回目は小学校入学前の1年間のうちに行うのが一般的に。麻疹(はしか)との混合で、MRワクチンと呼ばれるワクチンが主流になっています。

覚えておこう!風疹の症状

小さくて淡く赤い発疹、リンパ節の腫れ、発熱、関節の痛みが症状として主に挙げられます。成人だと脳炎や髄膜炎などの合併症を起こして重症化する報告もあり、一層の注意を要します。

その反対に風疹は「別名三日はしか」と言われるように、比較的軽度で済む場合や、不顕性感染と呼ばれる「気づかない感染状態」で済むこともあります。

感染した当人には一見ラッキーに思えますが、とても厄介な状態だと覚えておきましょう。なにせ無自覚のまま「風疹のウイルスを拡散」してしまうのです。特に「妊娠初期の女性への感染」は危惧されているにもかかわらず、未だ完全に防ぐ手立てがありません。

避けたい!妊婦への感染

風疹は、くしゃみや咳による飛沫感染で広まります。潜伏期間が14〜21日間程度(麻疹は10〜12日間程度)と長く、軽症や不顕性感染だとそのまま仕事や遊びに出かけてしまいがちです。

もしそこで妊娠初期の女性と居合わせたら、運悪く感染させてしまうかもしれません。母体が風疹に感染すると、お腹の赤ちゃんの一生に関わる事態がかなり高い確率で起こることがわかっています。

それは「先天性風疹症候群」と呼ばれ、赤ちゃんには早産や低体重のリスクばかりか、目や耳や心臓に障害をもって生まれる心配あるのです。すでに今年の流行について、日本産婦人科医会は「妊婦はできるだけ外出を控え自己防衛を」と注意を呼びかけています。

妊婦は予防接種を受けられないので、風疹の回避には周囲の理解と協力がなくてはならないのです。

参考までに、2015年に放映されたTBSドラマ『コウノドリ』(シーズン1)の第3話で、先天性風疹症候群の理解と予防接種の大切さが描かれています。セルDVDやBlu-ray、各種レンタル、TBSオンデマンド、Hulu、Amazonプライムなどでご覧いただけます。

http://www.tbs.co.jp/kounodori/2015/story/3.html

受けよう!抗体検査とワクチン

抗体の有無だけでなく、抗体が十分かどうか(抗体価が低いとかかりやすい)も採血で簡単に調べられます。検査は内科でも受けられますが、結果で予防接種することになった場合、ワクチンの取り扱いの関係上小児科や小児科のある総合病院の方が対応はスムーズです。

抗体検査は保険適応外の自己負担扱いで、病院によって1.500〜5,000円ほど費用に開きがあります。ただし多くの自治体では検査と接種の費用を、全額公費負担あるいは一部助成を行っています。

妊娠を望む女性、同一世帯の家族など、対象者の線引きは自治体ごとに異なりますが、ワクチンは自費だと10,000〜12,000円ほどかかるので、保健所や病院に一度問い合わせてみることをお勧めします。

最後に

1人の患者から、免疫のない人に感染する数の目安として、風疹は5〜7人と言われています。インフルエンザの1〜2人と比べると、感染の強さと広める力はかなり高い(麻疹や水ぼうそうは風疹より上)と言えます。

今やマタニティマークをつけて満員電車に乗り、職場で働く女性は珍しくなくなりました。先天性風疹症候群は、風疹の感染が妊娠1ヶ月で50%以上、2ヶ月で35%以上、3ヶ月で18%というデータがあります。

これらと照らし合わせると、我が子に限らず世の赤ちゃんを風疹から守れるのは、世の大人たちの対応にかかっていると言っても過言ではありません。

無意識の感染で、加害者にも被害者にもならないために。流行の風疹を早く終わらせるよう、ご自身の抗体にもぜひ関心をもってください。

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