社会福祉士って何?ソーシャルワーカーに求められる資質とは?

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現代社会のなかで人々がたった一人きりで孤独な生活を送っているのではなく、「必要なときはいつでも手をさしのべてくれる人」が身近にいることを実感できるような環境づくりが必要です。社会福祉士はそのような相談援助を展開する義務があり、そのため国家資格をもち、高い理念と倫理規範に基づき、専門的知識・技術・価値を駆使できる者として認められ、信用を得ることが望まれています。

すなわち、社会福祉、医療、保健などの現場で、ソーシャルワークの専門性を駆使し、相談援助を主たる機能として、利用者、地域、社会を対象に支援をすることが、社会福祉士の使命であり、求められる資質です。

ソーシャルワーカーとしての基本的な資質である「人間理解ーー自己理解、他者理解」及び面接技術について述べたいと思います。

人間理解についてーー自己覚知(自己分析)、(共感)

専門家としてのソーシャルワーカーはクライエントに対し、「真剣に向き合う」ことが求められます。そのために大切なことは、ソーシャルワーカーがまず自分の「気持ち」に「真剣に向き合う」ことが求められます。なぜなら、「自己理解」ができる範囲でしか、「他者理解」はできないからです。

 共感とは、「あたかも、他者の気持ちを自分の気持ちであるかのように体験する」ことを意味します。自分自身の中にある

  • 深い憎しみ
  • 悲しみ
  • 怒り
  • 劣等感
  • 絶望
  • 苦悩
  • 歓び
  • 歓喜
  • 感動

といった感情の理解の浅さは、つまり「他者の気持ちを理解する=共感」が困難となります。この「自己の気持ちを理解する」過程、「自己覚知」が専門家としてのソーシャルワーカーに求められるのです。

 「社会診断」の著者であるリッチモンドは、ソーシャルワークにおける「人」をクライエントと呼び、いわゆる日常的な「人の理解」と、ソーシャルワークの対象となる「クライエントの理解」をはっきりと区分しました。

その人と「社会」のなかの「困難」すなわち

「社会的困難について理解すること」

が社会診断であるとしました。さらに、「人を理解する」ことをA個人の理解とB環境の理解に分け、人の「社会状況」と「パーソナリティー」に関して可能な限り理解することと定義しました。

 福祉の仕事をする人に必要な要素として、「4つのH」という言葉があります。

  • head(冷静な頭)
  • hand(専門的技術)
  • heart(あたたかい心)
  • health(健康)

まさに、ソーシャルワーカーに求められる資質も、この4つのHの象徴されるでしょう。

相談援助における面接技術について

一般的な会話と援助的面接の違い

相談援助の面接はソーシャルワーカーとクライエントの双方が合意している目的をもちます。その目的は

  • 何らかの課題や機能の達成のために必要な情報を得ること
  • クライエントのニーズの充足や問題解決に向けての協働作業を行うこと
  • アクションシステムの形成

なのです。

一回一回の面接にも目的や目標があり、ソーシャルワーカーは、この目的を理解し、面接を焦点化する必要があります。相談援助の面接は対面の相互作用であり、言語、非言語のコミュニケーションによって相互作用を行い、この点で日常会話と共通しています。

しかし、面接は徹底してクライエントの利益のためであり、はじめから援助者、非援助者という異なった役割が明確です。その違いをかん記録してみましょう。

  1. 意図的に規定され、計画された目的、目標をもつ。
  2. インタビュアーとインタビュイーの役割の差異がある。
  3. 特別に選択された時間、場所、頻度を持つ。
  4. 社会的エチケットよりも専門職業的相互作用のルールが優先される。
  5. 会話のパターンは公式的で構造化され、系統化されている。
  6. インタビュアーは接触をはじめ、目的を達成するまで継続する専門職業的義務を負い、面接結果について責任を負う。

面接の基盤

 相談援助において、ソーシャルワークは「何ができるか」、「何をするか」を示し、クライエントに理解してもらう必要があります。そのため、ソーシャルワーカーが面接の展開の中で行うこととして、面接の基盤として次のことが挙げられます。

  1. クライエントの言うことを傾聴し、クライエントの感情を受け入れる(傾聴・受容)。
  2. クライエントを援助したいという真剣な気持ちを示し、ワーカーが援助の方法を知っているということをクライエントに気付かせる(ワーカーの援助姿勢および専門性の提示)。
  3. 状況に関してクライエントがどう受け取り、考えているかを把握するために質問をする。このことによって、クライエントはニーズの重要性、対処の糸口や試み、理想的なニーズの充足の仕方などについて考えることになる(状況把握のための質問)。
  4. クライエントが口には出さないが、抱いている疑問に応えるべく努力する。例えば、ワーカーが何をする人なのか、ここで話した情報がほかに漏れないかどうかという疑問などに答える(クライエントの抱く疑問への応答)。
  5. 利用可能なサービスの種類やサービスを活用する手続きなど、機関がサービスを提供する方法について説明する(サービス利用のための説明)。
  6. クライエントやその環境のストレングス(潜在的な資源)に焦点をあてることで、クライエントの罪悪感や無力感、絶望感などを減少させ、ニーズ充足のための肯定的で実行可能な方法をもたらす(ストレングスへの焦点づけと肯定的な方向づけ)。
  7. 現在起こっていることについてのクライエントの感情を理解する(共感)。

⑶面接における基本的な応答技法

  相談援助面接においては、面接の効果をもたらすための様々な応答技法が用いられます。使われる頻度が高い技法は次の通りです。

内容の反射に関するもの

  • 単純な反射:クライエントの言葉をそのまま反射する。
  • 言い換え:クライエントの言葉をワーカーの言葉に置き換えて、反射する。
  • 要約:クライエントが語ったことを要約して反射する。
  • 明確化:クライエントが語ったことを明確にして示す。

感情の反射に関するもの

  • 感情の反射:クライエントが語った感情をそのまま反射する。
  • 感情の受容:クライエントが語った感情を受容して反射する。
  • 感情の明確化:クライエントが語った感情を明確にして反射する。

適切な質問

  • 開いた質問:質問に答えることによって多くのことが語れるような質問をする。
  • 閉じた質問:はい、いいえ、あるいは答えが一言でいえるいうな質問をする。
  • 状況に即した質問:面接の流れに合致した質問ができる。
  • 避けるべき質問の認識:面接の支障となるような避けるべき質問が認識できる。

情緒的な支持の提示

★クライエントを支えるメッセージをを伝える。クライエントの健康さや強さを認めるメッセージを伝える。

直接的なメッセージの伝達

★I(アイ)メッセージ:「私は」で始まる直接的、主観的なメッセージを伝える。メッセージを一般化するのではなく、一人の人間としてのワーカーの思いを直接的に伝える。

ソーシャルワークの定義

 最後に、常にソーシャルワーカーが胸にとどめておくべき「ソーシャルワークの定義」をご紹介して終わりましょう。福祉の理念こそが、現代哲学といってもいいような時代がくることを祈ります。

『2000年7月27日モントリオールにおける総会において採択、日本語訳は日本ソーシャルワーカー協会、日本社会福祉士会、日本医療社会事業協会で構成するIFSW日本国調整団体が2001年1月26日決定した定訳である。

定義*

ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウエルビーング)の増進を目指して、社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワーメントと解放を促していく。

ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する。人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である。

解説

様ざまな形態をもって行われるソーシャルワークは、人びととその環境の間の多様で複雑な相互作用に働きかける。その使命は、すべての人びとが、彼らのもつ可能性を十分に発展させ、その生活を豊かなものにし、かつ、機能不全を防ぐことができるようにすることである。

専門職としてのソーシャルワークが焦点を置くのは、問題解決と変革である。従ってこの意味で、ソーシャルワーカーは、社会においての、かつ、ソーシャルワーカーが支援する個人、家族、コミュニティの人びとの生活にとっての、変革をもたらす仲介者である。ソーシャルワークは、価値、理論、および実践が相互に関連しあうシステムである。

価値

ソーシャルワークは、人道主義と民主主義の理想から生まれ育ってきたのであって、その職業上の価値は、すべての人間が平等であること、価値ある存在であること、そして、尊厳を有していることを認めて、これを尊重することに基盤を置いている。

ソーシャルワーク実践は、1世紀余り前のその起源以来、人間のニーズを充足し、人間の潜在能力を開発することに焦点を置いてきた。人権と社会正義は、ソーシャルワークの活動に対し、これを動機づけ、正当化する根拠を与える。

ソーシャルワーク専門職は、不利益を被っている人びとと連帯して、貧困を軽減することに努め、また、傷つきやすく抑圧されている人びとを解放して社会的包含(ソーシャル・インクルージョン)を促進するよう努力する。

ソーシャルワークの諸価値は、この専門職の、各国別並びに国際的な倫理綱領として具体的に表現されている。

理論

ソーシャルワークは、特にソーシャルワークの文脈でとらえて意味のある、地方の土着の知識を含む、調査研究と実践評価から導かれた実証に基づく知識体系に、その方法論の基礎を置く。ソーシャルワークは、人間と環境の間の相互作用の複雑さを認識している。

そして、人びとの能力が、その相互作用に対して働く様ざまな力―それには、生体・心理社会的要因が含まれる―によって影響を受けながらも、同時にその力を変えることができることをも認識している。

ソーシャルワーク専門職は、複雑な状況を分析し、かつ、個人、組織、社会、さらに文化の変革を促すために、人間の発達と行動、および社会システムに関する理論を活用する。

実践

ソーシャルワークは、社会に存在する障壁、不平等および不公正に働きかけて取り組む。そして、日常の個人的問題や社会的問題だけでなく、危機と緊急事態にも対応する。

ソーシャルワークは、人と環境についての全体論的なとらえ方に焦点を合わせた様ざまな技能、技術、および活動を利用する。ソーシャルワークによる介入の範囲は、主として個人に焦点を置いた心理社会的プロセスから社会政策、社会計画および社会開発への参画にまで及ぶ。

この中には、人びとがコミュニティの中でサービスや社会資源を利用できるように援助する努力だけでなく、

  • カウンセリング
  • 臨床ソーシャルワーク
  • グループワーク
  • 社会教育ワークおよび家族への援助や家族療法

までも含まれる。

ソーシャルワークの介入には、さらに、

  • 施設機関の運営
  • コミュニティ・オーガニゼーション
  • 社会政策および経済開発に影響を及ぼす社会的・政治的活動に携わること

も含まれる。ソーシャルワークのこの全体論的な視点は、普遍的なものであるが、ソーシャルワーク実践での優先順位は、文化的、歴史的、および社会経済的条件の違いにより、国や時代によって異なってくるであろう。

*(注) ソーシャルワーク専門職のこの国際的な定義は、1982年に採択されたIFSW定義に代わるものである。21世紀のソーシャルワークは、動的で発展的であり、従って、どんな定義によっても、余すところなくすべてを言いつくすことはできないといってよいであろう。

最後に

ご参考までに世の中の就職活動のトレンドが大きく変わろうとしています。次の記事でご覧ください!

SNSの普及で様変わり!2016年の就職活動のトレンドとは?

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