天災だけじゃない。止まらない!止められない!水トラブルも突然やってくる

何の前触れもなく、その瞬間は突然やってきた。深夜1時。さあ寝るかとトイレに寄ったあと、続けて入った相方がドアからひょっこり顔を出し「水、タンクに溜まってないけど」と訴える。

いつも通りに使い、いつの通りに流れた(と思う)。夜な夜な、狭いトイレに二人でこもり、コックを動かし、水の出る管に振動(ようは叩いたり揺すったり)をかけてみる。直らない。タンクの中からシュワシュワと聞きなれない音がする。相方が重い陶製の蓋を開けると、おそらく管につながっているであろう元穴の音とわかった。

構造は単純に見えて、けれど素人にはどこから手を打てばいいのか謎。そこで相方をトイレに残し、スマホ片手に廊下で『トイレ 水 タンク 出ない』と検索。ヒットした項目を1つずつ開いていると突然、トイレから「マジかマジかマジかっ!」と相方の叫び。覗いてビックリ、ヒー!と今度は慌てて『トイレ 水 止めたい』で検索。

なにせ相方が両手を突っ込んでいるタンクからは、ビュービューと大放水イリュージョン!平穏な1日を終えるはずが、突如、魔のショータイムのはじまりとなった。

水トラブルのCMはウソじゃなかった

9月1日は防災の日、9月は防災月間。全国各地で「備えなければ憂いなし」を改めて意識する月ですが、突然やってくるのは天災ばかりではありません。CMでお馴染みの「水トラブル」も同様で、むしろ日頃からあまり用心しないせいか、ことが起こった時はパニックしかありません。

そこで体験談を通して、まず「心に準備」、そして「できる備え」となるポイントを分かりやすくご紹介します。特にアパートやマンションなどの集合住宅にお住まいの方は、被害者そして加害者になる可能性も。よって必読です!

地震がきてもそう慌てず、出口確保や非常用袋をパッと思い出すこともできたのに、水トラブルは無理だと学んだ。そんな目に遭うと人は本当に、コントのようにずぶ濡で噴水源を押さえるか、オロオロするばかり。

「この手のCM、いつもオーバーだよね」と見ていたのがお恥ずかしい。CMはウソでもオーバーでもなかった。

タンクにじゃんじゃん水が溜まっていく、このままだと溢れるぞ!しかし手を緩めた瞬間、水ビームが四方八方を攻撃してしまう。こうなったらと意を決し、相方は膝やら足やら、普段できないヨガ級のポーズで、なんとかレバーを操作して便器に放水。

しかしホッとできない。水を止めねば始まらない、いや、終わらない。

「元、閉めて、元!」と相方に言われ、狭いトイレに潜り込み、蛇口を閉めようとするものの……はて蛇口は?(それは台所シンクの下だった)。「外は?外!外」と相方はもはや単語しか言えない。

外って、元栓か。深夜にスマホのライトを照らして飛び出すが(我が家は戸建)、敷地内のどこに埋まっているの?こういう時、嫁は役立たずだ。トイレに引き返し、実家である相方に聞くと「俺も知らん」とキッパリ。息子も役立たずだった。

知るのは水道メーター検針員か、建てた当人であるじーちゃん(義父、別居中)か。どちらも深夜に問い合わせできないため、相方にもうしばし奮闘してもらいスマホでググる。

一縷の望み発見、キーワードは「止水栓」。画面をみるとタンクにつながるパイプのパーツで、要マイナスドライバーとも書いてある。家の保管場所から持ち出してトイレへ向かった。「止水栓思い出した、あの部分か」と我に返った相方。よって持ち場を交代して噴水源と格闘する。水圧に押される!

その後もまごつくものの、ほどなく噴水が止まる。戦いは終わった。水浸しのトイレに立ち尽くし「笑えるのはCMだけだな」と身をもって知った、ある深夜の話。

<完>

https://jp.toto.com/support/emergency/waterleak/index.htm#01

これが一人暮らしだったら冷や汗もの

口の部分を手のひらでピタリと塞ぐ。ペットボトルなら可能ですが、試しにお風呂場の蛇口を塞ぎ開栓してみてください。蛇口ハンドルを少し緩めただけで、もう止めることは難しいでしょう。

それほどの水圧で噴水が上がれば、誰でも反射的に手で押さえてしまいます。しかしこれは噴水の思うつぼ。元を断つ手段を奪い、立ち往生させ、初動がどんどん遅れる。体験談の二人でも大わらわですから、一人暮らしでこんな事態が起こったらなすすべもありません。

水トラブルも、天災と同様に備えをしたいものです。しかし自然災害や火事のように、明確な対策ガイドラインはなかなか見かけません。そこでことわざ「失敗は成功の元」にならい、体験談を検証して今からできる備えをリストアップしました。ご参考ください。

絶対に慌てる、だから「心に準備」

まず落ち着く

パニックは何も解決してくれません。まずは、落ち着いてトラブル状況を把握。体験談にある、水が吹き出すほどのトラブルは「止水栓を止める」に一点集中します。

トイレが「流せない」などの排水トラブルは、便器からあふれない応急処置をして、お近くの水道工事業者やメーカーのメンテナンスに問い合わせを。つまりの原因がわかっていれば、ご自身で作業できますが、原因不明のつまりなら、水流で押し出そうと何度も排水するのはやめましょう。

決め手のマイナスドライバー

止水栓はマイナスドライバーで閉めます。ネジ頭の溝サイズが合わないと痛恨のミスなので、あらかじめサイズ違いを数本用意します。握りやすいようグリップを装着したり、長さのあるドライバーをチョイスするとよりgood。

押さえ込まない、抑え込む

男性にありがちなのが、噴水箇所もしくは部品を力で押さえ込む行為。これが原因で破損し、被害拡大の恐れもあるのでやめましょう。噴水源にタオルをかけて散布をセーブしたり、タンクやバケツを利用して作業時間を稼ぐなど、被害を極力小さく抑えて、止水栓で完全ストップです。

すばやく切り替える

止水栓が固い、錆びている、回らない。まさかの事態には最後の手段、水道の元栓を閉めます。戸建であれば屋外敷地の地面に設置され、カバーの中で水道メーターと元栓が並んでいます。アパートやマンションのような集合住宅は、大体玄関横のパイプシャフト内に。

無理矢理止水栓をドライバーで閉めるとネジを潰しかねないので、切り替えて元栓へGO!

修理は落ち着いてから

水を止め、かろうじてピンチを乗り越えたら修理の依頼を。平日の日中なら直接メーカー、または近所や自治体指定の水道工事業者に問い合わせます。アフターケアも見越せば近場がおすすめです。

深夜や早朝、休日にどうしても修理を依頼したいなら、24時間365日対応している業者へ。見積もりや点検無料、ネット割引もありますが、費用は前者より割高傾向にあります。

時間との勝負、だから「今できる備え」

トイレにマイナスドライバーを常備

止水栓のサイズ(ネジ頭の溝)にフィットする、専用のマイナスドライバーをすぐ手に届く場所に常備しておくと安心です。

掛けるタオルは長めのものを

助けがいない時、手で押さえる代わりにタオルを使います。噴水源を縛ったり詰めたり、被せて飛び散りを軽減させたり。ハンドやフェイスタオルは小さく役不足なので、タオル掛けには長めの物を下げておきましょう。

トイレットペーパーは床置きしない

濡れると溶けて始末に困るだけでなく、ちぎれて排水口のつまりの原因になることも。トイレ内の棚に上げる、窓枠に並べるなど、万一を想定して床からは離しておきましょう。

元栓の場所を把握しておく

止水栓だけ知っておけばいいと思わず、慎重に慎重を重ねて、元栓の場所も覚えておきます。水の被害は時間の経過とともに、範囲は広がり深刻さも増します。元栓は1秒でも早く確実に止める切り札です。

火災保険をの内容を再チェック

水トラブルによる損害は、火災保険で補償されます。ただ賃貸だと、火災保険は大家が加入し、借主は家財保険に留めて費用を安くする場合もあります。家財保険では、借主の不注意による損害をカバーする個人賠償保険がつかない(あるいは特約=オプション扱い)こともあります。ぜひ今一度、保険内容の再確認を。またリンク先で、水トラブルを保険でまかなった例を読むことができます。

最後に

自然災害や火事は「命に関わります」が、水トラブルはそこまで危険とは言い難いです。しかし不幸にして起こってしまった痛手は、同じではないでしょうか。水という特性上、どこに浸水しどこまで広がるのか、皆目見当つきません。だからこそ本気の備えが必要なのです。防災月間中にぜひ、水トラブルについても考えてみませんか。

スポンサーリンク
336×280
336×280

最新記事の更新はこちら