最近物忘れがひどい。これは、年齢のせい?それとも認知症?認知症について正しく知ろう!

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人生50代も半ばになると、「語学を習うと認知症になりにくい」、「車の運転は認知症にならない」など、いろいろな仮説を耳にします。今回は認知症について医学的側面からみていきたいと思います。

認知症ってどんな症状なの

認知症とは、いったん獲得した知的機能が、後天的な器質的要因により低下した状態です。認知症の診断には意識障害がないことが前提であり、まずは歳相応の物忘れと、認知症の物忘れを区別することです。

歳相応の物忘れ

  • 体験の一部を忘れる
  • 進行しない
  • 見当識障害がない(見当識とは、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなどの基本的な把握のこと)
  • 物忘れを自覚している
  • 生活に支障はない
  • 問題行動はない

認知症の物忘れ

  • 全体を忘れる
  • 進行する
  • 見当識障害がある
  • 自覚している
  • 生活機能に障害がでる
  • 問題行動がある

認知症の定義

 日本ではかつては痴呆と呼ばれていた概念ですが、2004年に厚生労働省の用語検討会により、認知症への言い換えを求める報告がまとめられました。世界保健機関(WHO)では、認知症とは

「いったん発達した知的能力が様々な原因で持続した状態であり、慢性あるいは進行性の脳の疾患によって生じる。

  • 記憶
  • 思考
  • 見当識
  • 概念
  • 計算
  • 学習
  • 言語
  • 判断

などの多面的な高次脳機能の障害からなる症候群」

と定義されています。一般的には、「脳の病変によって記憶を含む複数の認知機能が後天的に低下し、社会生活に支障をきたすようになった状態をいい、医学的には「知能」の他に「記憶」、「見当識」を含む認知の障害や、「人格変化」などを伴った症候群として定義されます。

認知症の原因疾患

中枢神経系の疾患をはじめとして、様々な疾患が認知症の原因になりえます。原因としては、変性疾患であるアルツハイマー病が役半数を占め、脳血管疾患による原因がこれに次ぎます。その他、感染症や内分泌障害なども認知症を呈します。

アルツハイマー病は、脳内で特殊なタンパク質異常が起こり、脳内のニューロン・シナプスが脱落して、脳内のの神経細胞がどんどん壊れます。結果、脳が次第に萎縮していき、知能、身体全体の機能も衰えていくのです。

発症の危険因子としては、

  • 年齢
  • 家族歴
  • ApoEe4などの遺伝子型
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 喫煙
  • 高脂血症
  • クラミジア肺炎球菌への感染

ある種の生活習慣などが本症の危険因子と考えれています。

中枢症状と周辺症状(BPSD)

認知症の様々な症状は、中枢症状と周辺症状に分けられます。中核症状は、病気により脳の認知機能が障害されることによる症状であり、具体的には記憶症状障害や見当識障害です。一方、周辺症状とは、

  • せん妄
  • 妄想
  • 抑うつ
  • 興奮
  • 徘徊
  • 睡眠障害

などを指します。周辺症状の出現は、本人を取り巻く環境や人間関係などが影響していると考えられています。本人が安心して過ごせるように環境を整えたり、ケアの方法を工夫することで症状を緩和できます。

周辺症状の中でも、徘徊や物盗られ妄想は高い頻度でみられますが、すべての認知症の人に起こるわけではなく、多くの場合は経過中の一時的症状として出現するものです。しかし、症状が激しい場合は介護者の負担が増えるため、在宅療養が困難になる場合もあります。

認知症の診断方法について

認知症と間違われやすい疾患、せん妄とうつ病

認知症と間違われやすい疾患は、せん妄とうつ病です。せん妄は急性に起こり、症状が変動することが特徴です。夕方から夜間や、薬物の影響や術後に起こしやすいといわれています。一方、うつ病は仮性認知症と云われるほど認知症と間違われやすいです。

認知症との違いは、不安や抑うつを伴い、知的機能の低下がないことが識別のポイントです。

3つの認知症の鑑別診断(問診・神経心理テスト・画像診断)

アルツハイマー病の診断には、問診、神経心理テスト、画像診断があります。画像診断には頭部CT、MRI、SPECT診断があります。特に脳SPECTは後部帯状回の血流低下がみられるので有用といえます。

レビー小体病は物忘れに加え、幻視が特徴で、脳SPECTにより後頭葉の低下がみられます。血管性認知症では、MRIによる血流低下部位の診断が有用です。

認知症の合併症

認知症の高齢者は、認知症のない高齢者より身体合併症を起こしやすいです。さらに、認知症高齢者は自分が高血圧、肺炎、心筋梗塞、骨折などがあっても、その状態を正しく理解することができません。従って、介護者が異常をいち早く見つけることが重要なのです。

認知症の治療方法

認知症を完全に治すことはできませんが、治療やケアにより進行を遅らせたり、症状を軽くすることは可能です。

薬物療法

日本で用いられているアルツハイマー型認知症に対する中核症状治療薬で有名なのは、アリセプトとレミニールです。アリセプトは重度のアルツハイマー病に処方されやすく、レミニールは中程度の患者に処方され、副作用は比較的少ないとされています。

これらの薬は

  • 幻覚
  • 妄想
  • 苛立ち
  • 鬱状態
  • 攻撃性
  • 興奮

などの症状をコントロールすることを目的に開発されたものです。

非薬物療法

 認知症の非薬物療法には、病院や施設などで作業療法士などにより行われるリハビリテーションと、在宅サービスとしてデイケアやデイサービスで行われるものがあります。

リハビリテーションには、脳の各部の機能低下抑えるための書き取りや計算、音読のほか、残された脳の機能に刺激を与え活性化させる「回想法」や音楽療法、芸術療法などの方法があります。

非薬物療法では、基本的には認知症そのものを改善することは困難ですが、認知症にともなう行動心理症状の改善が観察されたり、間接的ではありますが認知症の進行遅延できるかが、課題となっています。

また、普段の治療と同様に重要な役割を果たしているのが、家族の対応です。認知症という病気を十分に理解したうえで、適切な声かけや接し方をすることは、患者本人のQOLを高める「生活療法」となるでしょう。

最後に

認知症は治らない病気であることは前述のとおりですが、万が一親が認知症になったらどうやって病院や医師を選ぶのか、次の記事でご紹介しております。続けてお読みください!

親が認知症!病院や医師はどうやって探す?

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